ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
たくさんの人におすすめできる素敵な映画でした。
何より映像が美しい美しい。それだけでも映画館に行って見る価値ありです。
内容だって、4姉妹の物語を軸に、女性の幸せとか生き方とか、今見ても、違和感のない見せ方だったし、「女の幸せは、結婚がすべてだなんて思わない、家族が居ればいい、でもたまらなく寂しいの」なんて、最高のセリフだなと思った。
間違いなく、評価の高い映画だと思う。
ただ、私には美しくて、麗しい映像がずーーーーーっと続くことが、やや退屈に感じてしまった。
この映画、出演者の顔ぶれを見ていただくとわかるのだけど、もう美しい人しかいない。四方八方『美』なのだ。それは、本当に有り難くて、私も大好きなのだが、ご機嫌麗しゅうがちょっと過ぎたというか。瑞々しい少女時代を切り取った若草物語がベースだから仕方ないのかな……。
美しい4姉妹がきゃっきゃしているのを見ているだけで、それはそれは幸せだし、それぞれが自分の生き方を見つけていく様子も素敵だった。ジョーとベア教授のカップルは、『人生はシネマティック!』の二人を彷彿させて、私は大好きな男女の関係性です。そして、母親役のローラ・ダーンが良いんだ、これが。
それでも、やっぱりどこか抑揚が物足りなくて、私はそこまで心が動いた!!とか泣けたみたいな感じにはなりませんでした(疲れてたのかな…)。映画館で聞こえるすすり泣きの音、上映後の「いや~めっちゃよかった、感動した」という声、そんな映画館を包み込む空気を感じながら、そこまで感動できなかった自分に少しがっかりした(笑)でも、こうしてブログを書いていると、ま、それが私の個性なのかな…とか思えて、今、ブログに救われた感じがしている(笑)*1
だいぶ脱線しましたが、終始美しい映像シーンが続く中、ティモシー・シャラメとシアーシャ・ローナンのプロポーズ&別れの一連のシーンは息を呑む美しさ★☆珠玉の名シーンだなと思いました。本当に今の美しい二人を最高の形で残してくれてありがとうございます、そして、これからの映画界をよろしくお願いしますみたいな気持ちになった。
こうして、また上映初日に新作映画を鑑賞できる幸せをかみしめながら…。
*1:それにしても、昔から、女の幸せとか皆好き勝手いろいろ言うよね~と思いつつ、大好きな祖母の口癖が「気にすることないわよ」だったことをふと思い出した。あー、もしかしておばあちゃんは、いちいちうるさい世間様に対して、折り合いをつけるかのように、そうやっていつも自分に言い聞かせていたのかなぁなんて。
『女帝 小池百合子』は映像化してほしい
私も東京都民の一人として、マスコミと共に小池百合子氏に踊り、踊らされている立場でありながら、こういってしまうのは、なんとも…うーん、複雑なのですが…「この本、面白かった」です。面白さというのは、松本清張的な面白さというか。
面白かった理由は大きく分けて2つ。
1つ目は、3つの物語について。
・ノンフィクション作家の丁寧な取材により浮き上がる小池百合子の物語
・そして、恐らくその2つのどちらとも少し異なりそうな小池百合子の人生の「事実」に関する物語*1
この3つが複雑に絡まっていて、単純に興味深く、ページをめくる手が止まらなかった。
2つ目は取材された者の言葉。
誰もが自分の目に映った小池百合子という人物について語っているのだが、どうしたって証言する自身の価値観が、性格が、その言葉に滲むのだ。「私には、こんなことできない」「冷たいと思った」等々の彼女を否定する言葉から、なんとなくその人の価値観や大切にしているものが見え隠れする。小池百合子を前にすると、その人の感情、信条の部分がクローズアップされてしまう面白さ。それほどまでに、小池百合子という人は、人に共感しないされない人として、描かれていた。
本当は、もっといろいろ自由に書きたいのだが、現役バリバリご存命の人について、あれこれ好き勝手言うのは、(本人の耳に届こうが届かまいが、政治家であっても)私自身あまり気持ちよさを感じない。あと、なんか単純に怖い。
だから、早いところフィクションとして映像作品に昇華してほしい(笑)そして、一つの作品として自由に感想を言わせておくれよと思う。
以下は、完全に私の妄想です。
勝手に脳内で映像化を考えてみた(笑)
プランA:本に忠実な物語
小池百合子氏自身は、「どうぞご自由に」って言いそうだけど、彼女に関わった関係者が大物過ぎて、多分、NOかな…。幼少期から留学時代なら映像化可能かな。それだけでも十分ヘビーな内容になりそう。
プランB:完全フィクションという体で女帝vs古畑任三郎的なやつ
もちろん、古畑任三郎一例です。
くせのある探偵が、とある女性権力者の虚構と真実を暴いていく…みたいなイメージ。面白そう。三谷幸喜さん、うまいこと書いてくれないかなぁ~。女帝役は、同じ名前&イメージが真逆という理由で、石田ゆり子さんにお願いしたい。
以上
それにしても、面白いんだけど、喉ごしは決して良い感じではないので、やっぱり、映像化して、消化したいなと改めて思った(笑)
ワールドビジネスサテライトの縁でテレ東さんがやってくれたりしないかな。攻めてほしいけど、無理かな…みたいな。
もはや何が事実かもわからないので、彼女を作り上げたテレビ業界で全ての伏線回収してほしい感じはしてる。
『女帝 小池百合子 (文春e-book) [電子書籍]』のレビュー 石井妙子 (ややさん) - ブクログ
*1:恐らく誰も知る事のできない物語。本人自身も脳内でしっかり書き換えているし…
タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜
ボロボロ泣いた。
それは、この映画がエンターテイメントとして心震えるものだったから。
一般市民としての生き方とか覚悟が問われたような気がした。
1980年5月に韓国でおこり、多数の死傷者を出した光州事件を世界に伝えたドイツ人記者と、彼を事件の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話をベースに描き、韓国で1200万人を動員する大ヒットを記録したヒューマンドラマ。
光州事件のことは全く知らなかった。この映画を見てもやっぱりよくわらかないままだ。
所謂「民衆と軍の対立」「民衆蜂起」「市民の反乱」って、ニュースで知ったり、傍から見ると、なんだか虐げられてた人々の怒りが頂点に達し、ついに暴動が‼みたいな…THEフランス革命的なイメージ。自分が当事者になることなんてないだろうなって思っていた。なんなら今でもそう思っている。
なぜなら私は、「世界を変えたい」とか崇高な思いもなければ、何かに激怒するほどの理不尽さも感じていない。正確にいえば、理不尽さを感じることはあっても、やり過ごして、穏便な生活を続けることを選んでいる。そこに迷いはなし、多分その程度の理不尽さなのだろう。
選挙には行くし、その時の気分でなんとなく投票する。そこには強い思想や思いなんてなくて、いつだってぼんやりと。ほんの少し、今より良い未来がいいな、その程度。
そして、私の目に見える範囲近しい人たちが、安全で幸せに暮らせていればって思っている。逆に言えば、身近な人が幸せだったら、国の体制なんて、なんでも良かったりする。極端な話、それくらいの政治への関心の薄い、ただの一般市民である。
多分だけど、多くの人がそんなもんなんじゃないかな??こればっかりはわからないけど。
こうやってブログを書いていることすら、私は自分のために書いていて、世界を変えたいといった類の思いは一切ない。
だから、ニュースで見るデモだって、どこかの国の民衆蜂起だって、“自分ごと”として、考えられなかった。
大学時代、ゼミの担当教授が「“自分ごと“として問題を捉えることがいかに大切か」を説いていた。頭ではわかったつもりでいたが、私は所詮こんなもんだ。
でも、この映画を観て思ったのは、特別な思いがあって、こういった事件に参加した人、巻き込まれた人なんて、ほとんどいなかったんじゃないかなってこと。
ただただ、目の前の光景を、見ていられなかったんだと思う。
たまたまそこに居合わせて、目の前で傷ついた人が倒れている。ただ助けたい。
国への怒りとかもあったかもしれないけど、ただ近くの人を助けたい、力になりたい、その一心だったんじゃないかな。
自分の意思に関係なく、たまたまそこに暮らしていて、そこに居合わせて、何らかの当事者になることなら、誰にだってあり得ると思う。もちろん私にだって。
その時、私は何者でもないただの一般市民として、どう行動するのだろうか。
いつまでも傍観者でいたい気持ちと、もう傍観者でいられない気持ち、もう見ていられないよって気持ち。
正解なんて多分なくて、全然わからなくて、ただただ自分だったらどうする??って。ただの一般市民として生きることを選んだ私に、その覚悟とか、理不尽さとの向き合い方を問うてきた気がした。
また、光州の人達があったかくて優しいんだな〜これが。それが映画の演出の一部だとしても、まぁ泣けた、泣けた。
つい昨日までのささやかな幸せが、美しいコントラストのように、悲劇が重なっていった*1。
最後に、自粛明けの特別上映として、この映画を無料上映してくれたシネマート新宿さんに感謝。
また観に行きますね!!
*1:もう映画だから、そうなるってわかってるのに、泣いた泣いた
日常にもどる
私の暮らす東京都も「緊急事態宣言」が解除され、徐々に日常が戻ってきた‼
私はというと、特に変わりはないものの、早速、映画館に足を運んだでみたりして。
この期間で良かったことは、「手洗い・うがい」の徹底が身に付いた点かな~。
子供みたいだけど、ちゃんと・いつも・しっかりやるようになった。
普段の生活は…というと、意外と変わらず、今もテレワーク生活が続いている。
満員電車が復活したと報道されているが、どうなんだろう。
意外とまだ自粛が続いている人多い気がする。会社行っても週3日以下とか…。
そうそう、社会人になって約10年。
これまで、会社から一斉送信で送られる(部署全員・全社員向けの)メールが心に響いたことってなかったのだけども、緊急事態宣言解除後に受信したメールは、なかなか心に響いた。
超ニュアンス&詳細は伏せ伏せの伏せですが、心に残ったポイントをちょっぴりと。
・緊急事態宣言は解除については、緊急事態から日常に戻ったと捉えている。しかし、その日常は、以前と同じ日常ではない。なぜななら、コロナウィルスはまだいるから。
・日常に戻ったことをきっかけに、これまで、やむを得ず、先送りにしていた業務も、しっかり対応するように。出社/テレワークそれぞれ、目的をもって活用せよ。
・我々は、緊急事態宣言が解除された2020年5月25日を日常に戻った日として記録し、その記憶、反省を引き継ぐ決意。
こんなところかな~。
お、結構本気じゃない?って思った(笑)
ちなみに、私の職場は、THE日本企業ですが、国の方針には徹底的に従うので、新しい生活様式の要請が効いているのだと思う。だとしても、こうやって前向きに変化に取り組んでいるのは嬉しいし、メールの文体にも心があって、ちょっと感動したものです。
という訳で、気を付けつつも、少しずつ日常に身体をならしていきたいものですね。
自粛生活を機に、自分はどんな生活スタイルが体質にあっているのか…とかいろいろ気づく良い機会にもなったし。
あと、忘れちゃいけない。ウィルスまだいます‼
コロナウィルス以外にも、ウィルスってたくさんいるだろうし、結局は自分の体調をベストコンディションにすることが1番大切な気がしている。