旬感ブログ

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ミュージカル映画「イントゥ・ザ・ウッズ」を観て、ミュージカル、映画について図らずも考えてしまった事

先日、こんな↓↓記事を書いたら、「ここに名前出した人、だいたいイントゥ・ザ・ウッズで観れる‼」と気づき、公開時(2014年!!)ぶりに観てみました。

 

syunkanmkrn.hatenablog.com

 

せっかくだし、最近始めたfilmarksに感想を書いてみようとしたのですが、それにしても、評判が悪くて(笑)

filmarks.com

決して、私も大絶賛という訳ではないのだけれど、ちょっと一言書きたくなりました。

以下、いつにも増して、超超超纏まっていない&纏まっていない故に、やたら長文なので、閲覧注意。

 

 

そもそも、この映画なぜここまで評判が悪いんだろうか…。

私が思う理由はこうです。

 

舞台仕様のミュージカルをそのまま映画にしちゃったから。

 

これに尽きると思う。

悪い言い方をすると“ただの超豪華なミュージカル”になってしまったということ。

映画にするにはちょっとだけ不親切だったのかなと思う。

 

…ここからイントゥ・ザ・ウッズの話からはちょっと外れます…

そもそも、ミュージカルって本当に好き嫌いの分かれる分野のようで。

でもなんでそうなんだろうって考えると、普通に暮らしていると、ミュージカルに触れる機会って本当に少ないんですね。だから仕方ないかなと思うところが大きいです。

私は、映画も舞台もライブも(面白そうって思えば)雑食にいろいろ好きで、機会があれば、お金と時間が許す限り足を運ぶタイプなんですが、ミュージカルって考えた時に、ふと思ったのが、「あ、ほとんど家族としか観にいったことないな」ってことです。

正直、ミュージカルは1回のお値段が高い‼帝劇とかだと、B席でも1万円超えです。

だから、ミュージカルにそれだけのお金を出せる人しか誘えない。

←生活的な余裕度も、もちろん関係するけれど、単に、お金を持ってるか否かという意味ではないです。いくらお金に余裕があっても、興味がなければ、1万円払うだろうか。それこそ時間とお金の無駄だと思う。

だから、ミュージカルに行きたいという意思がある人しか誘えない。

そうなると、本当に誘える人が少なくて、結局、安心して誘える親姉妹と行く機会が必然的に増えてしまう。

 

これが映画とかライブであれば、もう少しハードルが低いんですよね。「気になるから一緒に行かない?」って気軽に誘えて。

誘われた方もせっかくだからとなる。ただ、最近の映画の値上げには反対です…‼いろいろあると思うのだけど…。

気軽に行ける非日常の良さを映画関係者の皆様は是非忘れないでほしいです‼(小声)

約2000円だと、ある程度、映画に行こうという意思を持った人しか来なくなります。飲み物ポップコーン買って3000円越えコース…。

これじゃあ、正直リピートし辛いです。下手したら、ライブと同等の値段になってしまう…。

そうなると、“生の魅力”に映画がどこまで勝てるのか…。

もともと映画館に通う習慣のある人は、ポイント制度を使ったり、サービスデーを調べ上げ、それらを駆使していると思うので(少なくとも私はそうです)、この100円の値上げ、「正直、痛いな」と思うものの、結局、足を運んでしまうと思うんです。でも、新規の顧客開拓(継続的な顧客)という意味では大損失では??

偉そうに、ほんとすみません…。配信とかいろいろあるけど、やっぱ映画館で観る映画っていいよねって心から思っているので。ちょっと一言いいたくなってしまう。

 

…話を戻して。

とにかくミュージカルは、普通に暮らしていると触れる機会がほぼないということです。

なぜ、このことを強調するかというと、ミュージカルって意外と慣れみたいなものが必要だと思っていて。

ミュージカルあるあるみたいな、慣れないともやもやしてしまうポイントについて、「ま、そういうものだな」って受け入れられるかが、楽しむための、肝だったりすると思うんです。

そこで、よく聞くミュージカルもやもやポイントの代表例について、適当にコメントしていきたい(笑)

 

・突然、歌い、踊りだす意味がわからない

ですよね。そこはもうミュージカルと割り切って、歌、ダンスを楽しむ時間と考えましょう‼(としか言えないです。)

歌うまいなとか、ダンスすごいなと割り切って、音楽に身をゆだねた方が絶対に楽しめると思います。

もちろん、それで登場人物の気持ちに共感できれば問題ないのですが、もやもやするということは

きっとそうではないということでしょう。

ここで、“歌やダンスで登場人物の気持ちを表現している”…みたいなことを考えてしまうと

益々もやもやします。気持ちを理解するために歌詞に注目するとかも、個人的には、正直、お薦めできないです(笑)だって、歌詞で表現していることって、そこまで複雑じゃなくて…。

 

あなたが好き♡君が好きだ♡(鳥たちも祝福しているよ)

あなたのことが忘れられない(毎日夢に出てくるよ、苦しい)(もう一度会いたい)

なぜ、あなたは振り向いてくれないの(こんなに愛しているのに、苦しい…)

悲しい(消えてしまいたい)

どうしたらいいのか(死ぬしかないのか)(逃げるしかないのか)

さぁ、戦おう(皆で団結するのだ)

逃げろ(夜明け前に)

捕まえろ(地獄の果てまで、一生追いかけてやる)

絶対、許さない(永遠に許すまじ、許すくらいなら死んだ方がまし)

自己紹介(お金がないので、窃盗ばかりしてます)(毎日、こき使われてます)(毎日こんなタイムスケジュールで働いています)

…みたいな。

 

さすがに雑すぎて怒られそうだけど、でも仮に歌の時間が2分間とした時に、単純な情報量としては、映画やドラマに比べると圧倒的に劣ってしまう。もう100分の1くらないなんじゃないかな??だから、その辺の細かな人物描写を求める人にはどうしても情報が足りなくて、物足りないと思ってしまうのも納得です。

 

・ストーリーが面白くない

いやいやいや、それはものによるでしょ‼

でも、ミュージカルってあらすじを文字にすると、それこそ3行~5行くらいで書けちゃいそう(笑)

例えば、「レ・ミゼラブル

パン一切れを盗み19年間の獄中生活を余儀なくされた男が、司教に魂を救われ、今度は自分が救うことのできなかった女性の娘を育てる話。(世間的には脱獄者でもあるので)迫りくる追手、そして、フランス革命へ…。

しかも、「民衆の歌」が有名だけど、フランス革命って、主役のジャンバルジャンが革命のリーダーではないっていう。それを面白くないと言われてしまうと…。

 

・何が言いたいのかわからない

ま、そんなこともある。

でも、それはミュージカルに限ったことではないので。

 

ミュージカル否定派の人が言いたいことって、割と理解出来る主張だなと。

でも逆に、ミュージカル好きな人からしたら、そんなん改めて言われても…みたいな。そんなこと分かった上で素晴らしいと思うから、観ているんだ‼という話であって…。

 

ミュージカルは、歌やダンスにとられる時間が圧倒的に多い。

にもかかわらず、歌やダンスから得られる情報量は少ない。

これは紛れもない事実だと思う。

でも、情報は量じゃないんだって思える瞬間が、良いミュージカルには必ずあると思っています。

またもや例えば、「レ・ミゼラブル

登場人物はそれぞれ悲しみや怒りに心震わせる場面がある。

そこには、どれだけの言葉を尽くしても伝えきれない一種の狂気のような感情の塊がある。

その塊をどう表現するか…と考えたとき、あの音楽とあの歌声が、観る者の身体の中にズンと入ってくる。そして、観客は言葉を失い。圧倒される。それは共感とか、登場人物の理解とかではない。

だけど、それを受けて、「感動」とか「圧巻」とか心地よさを感じるかどうかは、本当に個人によって違って、人それぞれだと思う。

 

だからやっぱり、私は、誰かれ構わずおすすめはできなくて…。ミュージカル楽しいのに、歯痒いわ。

ただ個人的に、こういう人はミュージカルいけるだろうと思うのは、学生時代、合唱が好きだった人(笑)

皆で声を合わせて歌うことに対して、心地よいと感じる要素を持っている人は、ミュージカル好きになる可能性が高いと思う。あの体内に、音の圧がぐぐっと入ってくる感じを心地よいと感じるタイプ。

という訳で、学生時代に合唱が好きだった人は、食わず嫌いをせずにミュージカルを見てほしい。

 

 

長い長い長い前置きはおしまい、話は「イントゥ・ザ・ウッズ」に戻る。

そもそも、ミュージカル映画って、普通のミュージカルに比べると“生”の力がないので、その分映像効果や、それらを補うだけの他の魅力が必要だと思っていて。

例えば、映画版「レ・ミゼラブル」だったら、登場人物のアップを多用して、劇場ではわからない登場人物の細かい表情を観ることができたし。革命のシーンとか映画ならではの規模と迫力があった。

もちろん「レ・ミゼラブル」という作品の魅力も大きいのだけど、映画のスケールを利用した工夫も多かったかな。

一方、「イントゥ・ザ・ウッズ」は、題名からもわかるように、すべてが森の中で起こるワンシチュエーションコント?のような作品なので、意外と場面ごとの背景・景色が変わり映えがしないというか。

このミュージカル、恐らく原作の舞台作品だとワンシチュエーションゆえの工夫とか面白さがあると思うのだけど、そこをリアルな森に置き換えると、舞台がただ広くなっただけのような印象がどうしても否めなくて。もちろん、映画だからこそできるようなスケールもあるんだけど、一捻り足りないというか。

そうすると、やっぱり“生”の力がない映画は弱くて…この低評価も納得といえば納得。ミュージカルが好きな人にとっては、「あーこんなもんか」と思うことでも、普段ミュージカルに、馴染みのない人への配慮が不足しているし、その不満を退けるだけの一工夫がどうしても足りなかったと思う。しかも、ディズニー系ミュージカルといえば、ハッピーなイメージがあるのに、本作、割と内容が大人向けだったりもして、ハッピーディズニーミュージカルを期待した人からすると、余計にがっかり感が出てしまったのかも。

 

でもでも‼実際に鑑賞した時も思ったのだが、この映画、そこまで悪くない‼

普通に、ミュージカルとして考えたら、曲も良いし、内容も悪いと思わない。

特に冒頭の約15分は、登場人物たちの見事な自己紹介ソング(&彼らが森に入る理由)で、それを別々の場所で、別々に歌うという、実にミュージカルらしいシーン。これには、一気に引き込まれた。オープニングにして、最大の山場という感じである。

次の山場は、王子の二人が、AGONY~♪(苦痛)と歌うシーン。なぜか曲の途中ではだけだすの、ほんとに…笑。ここもね、思い通りにいかない、苦しいってこと二人の王子が競うように歌うだけなんだけど、もうTHEミュージカル‼情報量は少ないけど、なんかいい‼


Chris Pine & Billy Magnussen Agony Into The Woods

 

それにしても、このAGONYを歌うクリス・パインさん、なかなかのくそ野郎王子で(笑)。それをなんの悪気もなくナチュラルに演じてて、ほんと好き。いや、クリス・パインさん嫌だったこと、これまで一度もないけど。

そして、弟役のビリー・マグヌッセンが、本当イケメンで、かつ歌も上手でかなり推せるんだけど、あまり、他の作品では見かけないのだよ……ってどうやら、アラジンでてるんですね‼こりゃ楽しみ楽しみ。お歌の実力は間違いないし。土曜日にアラジン見る予定なので、楽しみが増えました‼

ちなみに、「イントゥ・ザ・ウッズ」の本当の?主役は、今を時めくTONY賞司会の、ジェームズ・コーデンおにいさんです。

ミュージカル気になったら、TONY賞みてほしい‼


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