旬感ブログ

好きなこと&旬な気持ちをメモ代わりに

パターソン

新宿のシネマカリテで開催された、映画「パターソン」の上映企画に参加しました。

「パターソン」は、有名な?人気の?映画だけど、みたことがなくて、みてみたいと思いつつ、家ではちょっとな~(途中でスマホいじいじしそうな予感もりもり)な感じだったので、映画館で鑑賞できて本当に良かったです。

 

それにしても不思議~な映画です。

物語は、アダム・ドライバー演じるパターソンさんの日常を月曜日から日曜日まで描いていて……以上、終了みたいな。

それがまぁ、特別な1週間でもなく、悪い言い方をすると、代り映えのしない毎日(笑)日々小さな事件はあるけど、それによってこう観客の心が大きく振れるほどの事件も特に起こらないんですね。言うなれば、今日は雨でちょっと憂鬱だなとか、今日は青信号ばっかりで止まらなくてラッキー程度の心の揺れ。

だけど、そんな毎日も、アダム・ドライバーを始め役者陣の素晴らしい演技と映画の空気感で、なんとなく心の機微は伝わってくる。

私は今回、1人で鑑賞しましたが、もし誰かと一緒にみて、その人が寝てしまったとしても、いびきさえなければ全くせめられないな、みたいな映画(笑)

それくらい、特に大きな事件は起こらないし、怒鳴り散らかしている人とかもほぼいない。静か~な映画なんです。

私も仕事帰りに、映画館へ向かったので、これ、寝ちゃうんじゃない!?と思っていたのですが、ところがびっくり!!全く眠くならなかった!!

それどころか、集中も途切れることなく、ずーっと見ていられたのです。そして、エンドロールまで見終えた後、「あー幸せってこういうことなのかな~」なんて。

不穏さのない同じような日常がどれだけ、心地よいものか、一人、しりしりと噛み締めました。

あーなんか、こうやって、愛する人と、同じような毎日が続くことって幸せだな~ってじんわりじんわ~り響く。足湯みたいな感じ。

同じような毎日、もう飽き飽きだ!みたいな作品は多いけれども、なんなら自分もそう思うことが多いけど、うーん、こうゆう幸せもいいな~。

パターソンさんの割と受け身な感じがこれまた素敵で、「何事も、自分から、動き出そう!」みたいな世の中にあって、逆に美しく感じた。でもあの受け身な感じは、自らをポエムで表現し続けているからなんだろうな~。ちゃんと自分の部屋を持っている人だからこそ、ああやって、受け身になれるのかも……。

そんなことをぼんや~り、ゆる~り考えながら、いい映画だったな~と、鑑賞後1週間を経過しても、ふいに思い出すこのふわふわ感。心に沁みました。

 

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