「Sexy Zone」という曲 ~あの日、あの時、あのコンビニで~
ある曲を耳にすると、不意にその当時の思い出が、鮮やかによみがえることがある。
例えその曲が、聴き込んだ曲であったり、好きなアーティストの曲でなくとも…。
先日、Sexy Zoneの「Sexy Zone」がラジオからが流れてきた。
その瞬間、強烈な懐かしさに襲われ、今にも泣いてしまいそうになった。
私は、Sexy Zoneさんのライブに行ったこともなければ、CDを買ったこともない。
それなのにこの有様である。
なぜか…。
それは忘れもしない、2011年の年末。
私は、社会人になってから、初めての壁(今思えば、ただの繁忙期)、に直面していた。
その日も残業のお共である“甘いもの”を買いに、オフィスの地下にあるコンビニへ入り、その曲に出会った。
ー空二、カザシタ手ノヒラ。ー
冒頭から、声変わり前の男の子の声がして、いかにもジャニーズって感じ。
「あー、ジャニーズの若い子の曲かな~」なんて思いながら、店内をふらふらしていたように思う。
そんなとき、
地球はいつでもまわってる
195ヵ国の夢を乗せながら
Mildも地球の裏側じゃ
Wildになるよ
時代を創ろうSexy Zone
サビの歌詞が耳に入ってきた。
改めて書き出すと、割と強烈な歌詞である。なんだか随分と壮大…。
それでいて、世界中とはいわず、195ヵ国という律儀さ。
でも、私は、この歌詞に強烈に励まされた。
なんか私のしんどさなんて本当に大したことないなって、
文字通り、地球の裏側いったら、WildもMildなもんだわ…って(笑)
もう笑っちゃうのだけれども、これ、心の底から思った。
そう思うだけで、気持ちが明るくなったし、一瞬だったかもしれないが、疲れがふわっと消えていったのだ。
間違いなく、疲れが吹き飛ぶ瞬間がそこにあった。
だからと言って、この曲のCDを購入したりはしなかった。
テレビでSexy Zoneを見かけることがあっても、「あ‼好きな曲‼」とテンションが上がって終わっていた。もう、本当にそれだけ。
時は過ぎ、2019年。つけっぱなしのラジオからあの時のあの曲が流れてきた。
その時…私は再び2011年当時の自分に戻ったのである。
はっきり言って、あの時以上の繁忙期や仕事のストレスなんて、それは数えきれないほど経験したと思う。多分。
でも、あの時の感覚って、やっぱり強烈に覚えているのだ。懐かしさだろうか…
なんだか、よくわからない感情がぶわっと湧き出し、ちょっと泣きそうになった。
これって多分、エモいってやつだ。
きっと、デビュー当時の声変わり前の歌声は二度と聴けないのと同じように。
今日も変わらず、地球はいつでもまわってる。
195ヵ国*1の夢を乗せて…
自分が“Mild”と思うものは、きっと地球の裏側でも“Mild”なんだ。
それでも、“Wild”になるよって思いたいときもある。そして、本当に“Wild”になることも、多分ある。
そうやって、今日も生きている。
*1:外務省HPによると、2019年3月29日現在、日本を含めて196ヵ国とのこと。ただし、日本が承認している国のみであり、世界共通の認識とはいえない模様。