SF映画「インターステラー」で学ぶ相対性理論超入門(1)
かな~り時間が経ってしまいましたが、SF映画「インターステラー」で学ぶ相対性理論超入門という講座に参加しました‼
せっかくなので自分用のメモ&感想を書いてみたいと思います。書いていたら長くなってしまったので、前半部分・後半部分の2回にわけて書きます。
私、超文系人間なこともあり、正直、非常にわかりづらいと思います。
でも、講座では講師の先生のわかりやすい&楽しいお話が聞けるので、興味のある方は是非行ってみてください。っていうことをお伝えしたく、恥を忍んで書いてみます。
なお、主催者の方から講座内容のSNS掲載については、問題なしとコメントがありましたので、掲載させていただくものです。
では、前半戦いきます。前半部分は、講座の内容的に「インターステラー」そのもののお話はほとんどありませんので、その点ご承知おきください。 後半部分は、あの本棚のシーンやブラックホール内の描写についても言及されてます…って書ける自信がない…。でも、書こうと思います。*1
講義の概要
講座の案内メールから引用
2014年に公開されたSF映画の最高傑作と名高い『インターステラー』。
人類を救うために第2の地球を探す壮大なテーマの物語です。劇中では父と娘の時空を超えた愛が感動を呼び起こしました。
でも、劇中に登場するブラックホールやら、相対性理論やらに頭の中が?だらけという方も多いかもしれません。
それもそのはず、実はこの映画に登場するSFシーン、すべて本物の最先端物理を基盤として超リアルに映像化されたものなんです。
講義では「ブラックホールってなんであんな姿してるの?」「ワームホールは3次元の穴ってどういうこと?」「クライマックスの5次元の世界って何?」
インターステラーに登場する数々のシーンの謎を、相対性理論と物理を用いてとてもわかりやすく説明します。
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日 時:2019年8月4日(日) 15:00〜18:00
講 師:山崎詩郎博士(東京工業大学 理学院 物理学系 助教)
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山崎詩郎/Shiro Yamazaki
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、博士(物理学)。東京大学物性研究所、ハンブルグ大学、大阪大学特任講師を経て現職に至る。
走査プローブ顕微鏡を用いた原子スケールの量子物理の研究に従事し、第10 回日本物理学会若手奨励賞を受賞する。
「科学者と科学で遊ぼう」をモットーに、週末は「しろう先生」として活躍。
「青空サイエンス」や「ヒカリーランド」など親子向け実験教室から、「目で見る量子力学」や「SFで学ぶ相対論」などの本格的物理教室まで幅広く展開。
全日本製造業コマ大戦予選で優勝、世界コマ大戦に出場を機にコマはかせに。「コマ科学実験教室」を各地で開催しNHK等各種メディアで紹介される。著書は「独楽の科学」(ブルーバックス)。
この講師の山崎先生、お話が上手で、非常に面白かったです‼
>SF映画『インターステラー』が好きすぎて、世界最大のIMAXシアターで見るためだけに日帰りでシドニーに行く。
←このくだり、めっちゃ衝撃。想像を超えるまじがちの弾丸インターステラー日帰り旅行でしたw
>それ以来『インターステラー』を題材に相対性理論や物理をヴィジュアルでわかりやすく伝える活動が人気を博し、待望の書籍化も決定。
←2019年発売予定‼この日の質疑の内容も本に入るかも…とのこと、楽しみー‼
講義内容
初めての特殊相対性理論
このパートは時間の関係でさらっと。
物理学2つのfoundation(基盤)
量子力学:小さい、電子原子、物質
場の量子力論:小さい&高エネ、素粒子、物性
万物の理論:小さい&重力強い 宇宙の始まり 特異点
特殊相対性理論:高エネ(光速) 原子 光
現在、量子力学と相対性理論とはお互いに矛盾している状況であるが、それを一致させてようと研究が進んでいて、その矛盾を解決するのが、万物の理論‼
マーフ(ジェシカ・チャステイン)が「ユリイカ」って叫ぶのは、肝となる特異点のデータがわかり、万物の理論が完成したことを示している。*2
講義後の質疑で、「映画と同じように、特異点の情報が確認できれば、万物の理論が完成するのか」というものがあったが、現在は、実験で証明するのではなく、数学的な美しさ(数式で解く?)で解を導こうとしている。つまり、映画のように特異点のデータを待つ必要はないということ。
一般相対性理論
内容についてはこちらのHPをご覧ください‼
世界一わかりやすい一般相対性理論|重力は空間と光を曲げ、時間を遅らせる!? - 科学情報誌(HOME)
注:当然ですが、講義でこのHPが紹介された訳ではなく、講座と直接の関係はありません‼
一般的な内容をわかりやすく説明してもらったのですが、どどどド素人の私が相対性理論について、かみ砕いて書いたところで、あまり意味がないというか、間違ってそうだし不安という訳で、参考になりそうなHPをご紹介するものですm(__)m
それらを踏まえて、インターステラー的重要ポイントは以下の2点‼
重力は光を曲げる
重力は時間を遅らせる
私、陸上競技の大ファンでして、そんな私的テンション↑↑ポイントは、この重力は時間を遅らせるの説明に用いた例(笑)
200m競走において、スタート位置はインコース(1コース)よりの選手より、アウトコース(8コース)よりの選手の方が、前方の位置でスタートします。(逆にいうと、1コースの選手が一番後ろの位置からスタートする)*3
これは、コーナーで走る距離が違うからです。*4
仮に、スタート位置が全員横並びの状態(1コースも8コースも同列)で、
全員が”同時にスタートし、同時にゴールした”としたら。
当然ながら、アウトコースの方が距離が長いので、アウトコースの選手が一番早いということになります。
しかし!
光りの速さは、どんなに曲がったとしても常に一定であり、絶対的なものである。
光りの速さは変わらない…。
……とすると、
アウトコースとインコースでは時間の進み方が違うのだと!!!!!!
おぉぉぉぉぉ‼ってなりました。光速の選手だったらやばいなって(笑)
他にも、こんなお話が興味深かったです。
「重力が時間を遅らせる」ということについて、地球上で普通に暮らしている分には、たとえスカイツリーの頂上と地上でも、1年で0.1秒?(違うかも)とかの誤差らしいので、ほぼ影響を受けることはないのですが、実は、私たちの生活に密着しているものがありまして…それは、GPS(のアプリなど)‼
私たちがスマホで、ぱぱっと現在地のを知ることができるのは、複数の衛生から発せられる位置と時刻の情報を地球上で受け取る際の時間差から計算されている、からでして。
人工衛星が、光速とまでは行かないまでも非常に高速で移動している点と、人工衛星も重力の影響を受けている点を考慮しなければ、1日で、実際の現在地と地図上の現在地に11キロメートル?もの差異が生じてしまうのだ。
つまり、この差異を相対性理論の数式で、調整している。
…という訳だ。
いや、やっぱり難しいのだけど、遠い宇宙の話から、身近なGPSに繋がっていることを知り、へぇぇぇぇーーーーっといたく感動。
ブラックホール
インターステラ―の評価が高い理由の一つにブラックホールの描写がリアルということがあるそうなのですが*5、じゃあ実際どうリアルなの?ということで、まずは、ブラックホールとは何ぞやという説明。
と、その前に、「万有引力の法則」を簡単に頭に入れましょう。
またしてもこちらのHPを拝借させていただきます。
万有引力とは?|重力と同じ?重力との関係は? - 科学情報誌(HOME)
ざっくりと、距離が近ければ近いほど質量が大きければ大きいほど互い引き合う力が強いということですね。
結局、ブラックホールとは…
光の速さでも重力を振り切れない星です…え…?うん?
光すら飲み込まれる…と表現するのが個人的にはしっくり来たかな~
光が抜け出せないほどの質量を持つ天体がブラックホール
素人なので、ブラックホールが天体であることすらよくわかっておらず‼ブラックホールってほんとにあったですね、みたいなお恥ずかしいレベルでしたが、そんなブラックホールの中心に、星の全質量が一点に集中している「特異点」があると考えると…。
その特異点のデータを娘に届けるクーパーパパって。そりゃもうとんでもなく壮大な愛の物語であり、人類の大発見の話でもあったんだな…。
確かに、そんな描写はあったのだけど、この講座を聞いてやっと、それがどれだけ大きな話なのか理解できました。(やっと深みを感じ始めた人…)
再度見直したら、感動しそう…。
と、このあたりで、前半の45分が終了‼
後半戦へ続く(予定)…
★自分用補足資料
スター・トレック(クリス・パイン主役の2009年版)が好きで、先日久しぶりに見直したのですが、ここまでで学んだ内容だけでも、
・バルカン星が滅亡する描写(爆発ではなく、吸い込まれる感じ)
・赤い液体の正体
・赤い液体→特異点→時間の行き来
など、ほぅほぅ…ってなりました。
つまり、こんなちょっっぴりの知識?情報だけでも、SF映画を楽しめるんだなって感激^^