旬感ブログ

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僕たちは希望という名の列車に乗った

私的暫定、令和ベストです。


令和で最初の名作、令和・初涙もこの映画からいただきました。ありがとう。

 

上映している映画館がとっても少なくて…それが残念というかもはや悲しいです。
映画友達とかいないので、同僚や友人に、気兼ねなくお薦めして、近くの映画館で観てもらって、泣けたねーってお喋りしたいのに…。

 

内容は、ほぼこちら↓のあらすじ通り。

僕たちは希望という名の列車に乗った : 作品情報 - 映画.com


実話をベースとした物語で、一見、今の私たちには遠い出来事のように思えるのだけど、ここに出てくる高校生は、進学校に通う未来明るい普通の子たちの話で、彼らの友情、恋、家族愛、まわりの大人の不条理とかを描き切ることで、いつの時代にも通用する普遍性を得たように思う。


なんて、畏まった言い方したけど、この先どうなるの!?と心がぎゅっとなって目が離せないというか、重い話ではあるけど、シンプルに面白い‼


登場人物が割と多いのだけど、そういった映画にありがちな、「なぜこの人がこんなことするのか最後まで理解できなかった…」みたいな消化不良に陥る登場人物がいない。
だからこそ、観客はノンストレスで、物語の世界に浸り、後半に訪れる激動の展開に、登場人物と共に、心揺さぶられ、思わず涙を流してしまう。


原作も力ももちろんだが、映画としての完成度の高さも、名作と思った所以です。
とにかく、青春群像劇としての完成度が高いから、国家とか大きなテーマがビシバシ効いてるのすごい‼


いや~私が高ぶっていることしか伝わらない、なんて役に立たない感想なんだろうか…。という訳で、絶賛エモーショナルモード。映画のメッセージ性には触れません。ちょっとまだそこまで思考が追い付いてこない。


でも、もっとこの話をちゃんと知りたい&その後の彼らも気になるので、原作本は、Amazonでポチしようと思う。その上で、邦題通り、あの列車は希望だったのか…考えてみたい。

ab-books.hondana.jp

とりあず、Twitterに上げた感想も残しておこう。

あとは、当時の高校生の服装が良かったな。言わずもがな、主人公イケメン。


★事前知識の必要性★
当然ながら、時代背景について、知っている方が、より映画を楽しむことができるとは思うけれど、これは人によって分かれるかも。絶対、予習しないと楽しめないという話では決してないです。
ただ、仮に約30年前まで「東ドイツ」という国があったということを知らないレベルだったら、さすがにちょっと予習が必要だと思う。私自身、歴史には疎いので、なんとも言えないですが、この映画において重要なのは、東ドイツという国そのものを知ることより、時代の流れを知っておくこと、というか、当時の人たちにどこまで思いを巡らせることができるかが肝かも。難しいけど。

 

〈ざーっくり年表〉
・1945年 ドイツ無条件降伏→ベルリンは、東(ソ連)、西(米英仏)と分割占領される
・1949年 東西ドイツ分断ドイツ民主共和国(通称:東ドイツ)誕生
ドイツ民主共和国は、「反ファシズム」をスローガンとする社会民主主義国家であるものの、多数のソ連軍が駐屯する冷戦の最前線でもあり、政治的・軍事的にはソビエト連の衛星国であった。社会主義国家なので、政権党の統制が敷かれ、言論の自由は制限されがちである。
・1953年 東ベルリン暴動 鎮圧にドイツ駐留ソ連軍が出動
・1956年←物語の舞台となるのはこの時期
・1961年 ベルリンの壁構築
・・・
・1989年 ベルリンの壁崩壊


〈用語〉
ゲシュタポナチスドイツの秘密国家警察


……これくらいかなぁ?

 

2019年を生きる私たちは、
・この物語の後、ベルリンの壁が約30年間にわたり存在すること
東ドイツという国の末路
を知っている。
だから、東ドイツの話と聞くと、どうしても抑圧された国民たち…みたいなイメージが先行してしまうのだけど、1956年当時は、ベルリンの壁建設前で、比較的穏やかに、人々が東西を行き来している。
なによりも、当時のドイツ国民は、自らは生み出したナチスをとにかく否定し、その失敗を何とか乗り越えなければならないという一種の使命のようなものがあり、そのための手段として、戦争を経験した大人たち(この映画で言うなら主人公たちの親世代)は、社会主義を信じて、必死に前を向こうとしていた時代だったのかな~って。←これは、映画を観て思ったこと

歴史に疎いなりに、この親世代の複雑な感情にどこまで思いを巡らせると、より物語を感じることができるんじゃないかなぁ~なんて。

 

という訳で、観て損はないので、是非~。

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