トールキン 旅のはじまり
「トールキン 旅のはじまり」観てきました‼
映画「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」3部作の原作者J・R・R・トールキンの前半生の物語ですね。
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私は、トールキンも、彼の作品にも(映像化されているもの含め)全く触れていないので、青春ものとして、恋愛ものとして、楽しめました。
なんというか、見せ方のうまい映画だったな。
あと、英国形式好きにはたまらない映画だと思う‼
映画を通して知るトールキンは、生まれは決して恵まれた環境とは言えないものの、人との出会いという面では、とても恵まれていて、巡り合わせってあるのかな~とか思ってしまったし、全ての種を撒いたお母さまの偉大さとか、(本人の才能とか努力は前提として)孤児という環境から生まれたハングリー精神みたいなものとか…。いろいろなものに思いを馳せてしまいました。
当然ながら全てが映画の通りではないと思いつつ、彼が言語学に出会う過程とか、運命的だなと思ったし、なんというべきか、見えざる力が彼の才能を活かそうと動いたような気さえしました。
そして、なんといっても物語を書くということがどういうことなのか…。
人はなぜ物語を求めているのか…そんなことに繋がっていくラストシーンがとても印象的。
・「芸術は世界を変える」という仲間と誓い合った言葉。
・戦死した息子の書いた「詩集」の出版を迷う母にトールキンが投げかけた「こんな時だからこそ、芸術が必要なんです」という言葉。
・そして、最後の「物語を書くということは、自分の人生を証明し続けること」という言葉。
(全てニュアンスです)
…トールキンのような偉大な作家になれる者はほんの一握りだけれども、全ての者に表現する資格があるのだと思う。私は小説家でもなければアーティストでもないけれども、表現する者を励ますような熱い思いを感じました。
なぜ人は物語を書くのか。
なぜ人は物語を読むのか。
…突き詰めていくと、トールキンの中にある、
なぜ、母は亡くならなければならなかったのか…
なぜ、友は戦死しなければならなかったのか…(自分もその場にいたのに)
そこで生き延びた人と命断たれた人に差はあったのか…
論理的に説明のつくことない理不尽な世界に、どう向き合うのか。
生かされた自分には何ができるのか…。
今は亡き彼らの思いになんとか応えたい「何かをしなければ」という生かされた者の使命感…。
才能があって、頭の良い彼にも答えの出ない内なる”問い”があったんだと思う。頭が良いからこそ、答えが見えないことへの葛藤も大きかったのかな…。そんな思いが彼を突き動かし、物語を紡いだのだ。
そして、私たち読者は、その物語を通して、答えの出ない問に“答え“を求めたのかな…。
その物語は、リアルな経験、体験を通して感じたものから作られるフィクションだからこそ、時代を超えて人々に支持されたのかなと思う。
って読んでいない私があれこれ書くのはとても失礼ですね。
とても良い映画でした。
ヘルハイマ‼