音楽劇「銀河鉄道の夜2020」 2020年9月27日 14時開演
9月の上旬、これと言ったきっかけはなかったのだけど、ふいに「もう配信はいい!!私は生のやつが観たいんだーーーーー‼!!!」みたいな衝動に駆られ、チケットを取った。
チケットぴあの検索から、「音楽劇」「木村達成」「佐藤寛太」の3単語だけで決めた作品。木村達成君歌うかな~と思ったのと、佐藤寛太君を生で見てみたいという軽い気持ちで……。
いざチケットを取ると、もう、久しぶりの観劇にうきうきが止まらなくなって、思わず原作の「銀河鉄道の夜」を読んだ。幼い頃、ネコ?のアニメを見たような気がしたのだけど、改めて、読んでみると、うむ、こりゃよーわからん(笑)だけど、時々、情景がスッコーンと突き抜けるような描写が印象的だった。普通だったら、ここで終わるのだけど、もうスイッチ入っちゃって、知的好奇心を手ごろに満たしてくれることで(私の中で)有名な、NHK「100分de名著」のお世話になることに。
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読んで良かった。宮沢賢治先生の世界観がなんとな~く掴めたし、なんなら、宮沢賢治そのものにちょっと興味出てきて他の本にも挑戦しようとしちゃってる。
そんなこんなで、予習もやる気も十分!!検温もばっちし‼本日も体温36℃なり‼いざ劇場へGO!!
もう、劇場に向かう道のりでわくわく。劇場につくとアルコール消毒をして、着席!!
いや、席、めっちゃいいんですけどーーーーーー^^真ん中で見やすい良席。
音楽劇というだけあって、生オケ‼久しぶりすぎてチューニングの音だけで、ぞくぞくした。いや、私落ち着いて、ほんとに。
そして、いよいよ観劇!!
なんだろうな~、銀河鉄道の夜の世界そのままの照明と音楽。
美しい非日常
これだよ~、こういうの待ってた……。思う存分、芸術を浴びることができました。
舞台そのものの感想は、とにかく「美しいもの」を観た、に尽きる。
内容については、単純に私と原作の相性の問題で、感情移入するとかはあまりなかったものの、舞台上にいる役者さん全員が美しい魂の持ち主に見えた……。ので、多分そういうことだと思う。
ジョバンニを演じた木村達成さんとか、最後本当に光って見えたのですが……‼
そうそう、衣装がとってもシンプルだったこと、席が良かったこともあるけど、木村達成さん、信じられないくらい小顔で、スタイルが良くて、最後まで見慣れなかった(笑)あんなに小さなお顔に、大きな目が収まってて、一体どうなってんだ‼でも、芸能人的美しさというより、舞台上でよく走っていたこともあり*1、アスリートっぽい印象で、ニッチな例え方をすると、走り幅飛びの選手*2。実際、走り幅跳びの橋岡優輝選手に少し似ている気がする。
話がだいぶ逸れてしまったけど、とにかく、ジョバンニという役の、光と闇のコントラストを美しく演じていて、ミュージカル贔屓の私でも、ストレートプレイも凄い!!って思った。シンプルにまた見たい。元々見る予定だったミュージカル「プロデューサーズ」が益々楽しみに☆
そして、宮沢賢治と思われるケンジ役の岡田義徳さんが要所要所、物語を締めていて良かったな~。ジョバンニに寄り添うケンジが語ることで、より物語の世界に浸れた気がする。
原作を読むことを推奨とかはないけども、タイタニック、サソリ、ザネリがコラボする終盤のシーンとかは、原作を読んでいたからこそ、そうきたか!!みたいな驚きがあり、それを表現したザネリ役の宮崎秋人さんも凄かった!!
そして、楽しみにしていたカムパネルラ役の佐藤寛太さん!!儚い、美しい。クラスの人気者なのに、儚い姿で居続けるのって多分すごいことだと思う。消えないで~みたいな。
「まことの幸いとは何か」が描かれた作品。私はさっき、原作との相性でそこまで感情移入できないと書いてしまったけども、それは、もう宮沢賢治の世界観と対面した時、自分がいかにゲス(うーん、言い方が難しいけど)であるかということが、無視できないからであって。こうやって、真正面から、お涙頂戴でもなく、純粋に他者のために自分が犠牲になることを描かれると、それが腑に落ちない自分に気づいてしまうのだ。でも、最後にジョバンニがザネリを受け入れるのは、“わかる”だったし、未来への希望だったかな。
少しだけ、これまで生きてきた過去と違う今を生きている中、死生観に触れられる美しい作品に出会えて良かった👏👏👏間違いなく、今、触れたからこそ、感じるものがあり、ジョバンニも、ザネリも、カンパネルラも私の心の中に住んでるなと思った。