ある少年の告白
一言、すごく良かった。
エンドロールが終わっても、しばらく、心が現実に戻れない感じ…。余韻のある映画だ。
この余韻、マンチェスター・バイ・ザ・シーでも感じたもの…。あぁ…ルーカス・ヘッジズ。ベン・イズ・バックも必ず観ますね‼
熱心に聖書を読み、日々勉強している牧師である父親の姿を見ていると、
宗教は生きることそのものなんだなと思う。だからこそ、息子が教義にそぐわないことを知ったとき、それこそ身体が裂けてしまうような苦しみだったのでは?でもそれは、父親の背中を見て育った息子も同じだ。
劇中で医者が言っていたが知ることにより、わかることがある。言葉にしてしまうと、本当に軽々しいが、盲信しないこと…。
物事に対して真摯であること、それこそが、理解につながるのかななんて。
共感することはできなくても、なんとか互いに理解して、絆をつなぎとめようとする家族の姿がとても印象に残った。
あとは、実際にカミングアウトしている俳優が何人か出演していたこの映画。*1
なんというか、彼らはいつでも静かに偏見と戦いっているんだな感じた。どうしても、LGBTがテーマの映画って、過激な描写やセンセーショナルなものが多いのだけれど、この映画では、「もっと普通のことなんだよ。同じように、仲間を思い、人を愛し、心穏やかに過ごしていたいのに、その対象が他人と違うというだけで、まるで悪いことをしたかのような扱いや、偏見を受けている」ということを静かに強く訴えていたように思うのだ。真実なんて全くわからないけれども、(ゲイであることを公言している)彼らも、この作品に納得した上で出演したものなのでは?と。
そう思うのも、 ルーカス・ヘッジズ演じる主人公が、ステレオタイプのゲイの青年とは違う雰囲気で、とても自然に演じていたから。いや、もうこれ以上語ると、ただ、悩んで悶々としているルーカス・ヘッジズいいよねっていう話になることになりそうなのでやめて自粛…(笑)
日本人の中には、宗教に関する映画が苦手な人も多いと思うのだけれども、家族に重きをおいた内容なので、割と見やすいと思う。ので、迷ったらぜひ見てほしい。
あと、最後の最後に「えぇ~!?」って声がひっくり返る事実突き付けてくるので、ちゃんと最後までお見逃しなく感がすごい。