旬感ブログ

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アンダー・ユア・ベッド

アップリンク吉祥寺にて見逃した映画特集2019というものをやってまして「アンダー・ユア・ベッド」を鑑賞してきました。この見逃した映画特集、お値段も1,300円とお手頃で、かなりおススメです*1

 

アンダー・ユア・ベッド観ようかな…とお悩みの皆さん皆さんに一言お伝えするなら、

「無理強いはしない、ただ、観てみたいなという気持ちがあるなら、観ることをお勧めします。(機会はなかなかないと思いますが)観るなら絶対映画館で‼」といった感じかな~。

正直、この映画、家では最後まで見続けることできなかったと思うし、映画館の音響とスクリーンで緊張感ましましで味わってこそって感じもしました。そういった意味でも、私は映画館で鑑賞できて本当に良かったな~と。

名画座とか、イベントで上映する機会があれば、是非観てほしいな~。

 

ちなみに、今回、この映画を観ようと思った理由はただ一つ。

高良健吾をスクリーンで観たくなったから‼

なんか急に欲した(笑)実際、カツベンでは満たされなかった高良指数だいぶ満たされました。

 

一応、予告編は見ていて、いろんな意味で、おぉぉ、これは結構くせ強そう…とわかった上で鑑賞しました。

ただ、予想していた感じとはちょっと違ったかな。

R18だし、いろいろと覚悟していったけど、そういう観点では思ったよりも全然大丈夫でした。あくまでも、“私は”です。もちろん苦手な人は苦手だと思う。

ただ、DVの描写がえぐえぐえぐえぐなので…結構そこはしんどかったです。

あとは、ダンゴムシ…。私、どうもダンゴムシのビジュアルが苦手で…開始早々おぇってなった。

underyourbed.jp

 

 

【感想】

以下ネタバレと言えばネタバレなので、これから鑑賞予定の方はご注意ください。

 

いやーーーーー体力消耗したわ…ぐったりですよ、もうぐったり(笑)

終始緊張感があり……雪降る寒い日に見たのですが、映画館を出る頃には、ヒートテックが汗でじんわりしていました。

 

2時間弱集中が途切れることなく映画の世界に入り込むことができました。その結果としてのぐったり(笑)

好き、嫌い、快、不快っていろいろありますが、映画を観ながら、怖い、苦しい、安堵…みたいに心が乱れる…きちんと計算して完成された映画だな~と。

と言うのも、予告だけ見ると、変態的というか、キワモノ感すごかったので(笑)

【あらすじ】

 家でも学校でも誰からも必要とされることなく、存在自体を無視されていた男。誰からも名前すら覚えられることのないその男に「三井くん」と名前を呼んでくれた、たった1人女性がいた。学生時代の甘美な思い出から11年の時間が過ぎ、男は女性との再会を夢見るが、男の目の前に現れた彼女は別人のように変わってしまっていた。彼女に何が起こったのか。男の純粋な思いは暴走し、彼女の自宅に潜入。ベッドの下に潜み、息を殺して彼女の監視を始める。

アンダー・ユア・ベッド : 作品情報 - 映画.com

 

もうね、高良健吾演じる主役の三井君は、たった一度だけ名前を呼ばれた女性に対して、犯罪をおかしつつストーキングするんですね。

傍から見て冷静に考えると恐怖しかないのですが…なんだろな、そこまで怖くないんですよ、これが。

十分犯罪を犯しているのに、三井を見ていると、人に危害は加えなさそう、害は無さそうってどうしても思ってしまうの…。

まぁそれは単純にもっと恐ろしいものがあるからともいえるのですが。

おそらくもう一つ理由があって。

典型的なストーカー像って「こんなに愛しているのは世界で自分だけだ、どうしてわかってくれないんだ」みたいな自分勝手な思い込み、みたいなものを感じるのですが、三井はやたらと慎ましい。なんだろう、佇まいかな?

高良健吾が演じているから?それは多いにあるか、圧倒的清潔感。

 

いや、三井自身も相当に自分勝手ですよ…。そもそも、一度名前を呼ばれただけの女性を探し出して、近所に引っ越して、自宅に潜入、盗聴、潜伏って…。

書きだすとほんとにすごい。笑えてきた(笑)盗聴した声を録音して毎日聞いていたりするもんだから、割と普通に吐き気がします。

 

ただ、そうやって犯罪を犯しまくって潜入した女性の家には、とんでもない秘密があったという話。閉ざされた家庭内という空間で、繰り広げられる常軌を逸した暴力の数々。もう、それはそれは酷かった。苦しかった、怖かった、辛かった、痛かった。

見ているだけでげっそりした。

…その閉ざされた環境を知っているのは、住人と三井だけ…という。

だから、「三井、彼女を助けてあげて…」って思わず応援してしまうのです。

それがこの作品の肝。

ほんとに、制作陣のやり方にまんまと嵌ってしまっている。

とにかくこの暴力の描写が、しんどくて、途中から三井が映るたびにほっとしたり、癒されたりするようになった。

その三井は、人の家のベッドの下に潜んでいるのに…。もう混乱。

私何見ているんだろう…みたいな。

結果的に、高良君この役を引き受けてくれてありがとうみたいな謎の境地に至りそうになっていた(笑)

 

それほどまでに、DVの描写が辛かった。

暴力的にも性的にも…。まじでモンスター。

自分より弱い者を痛めつけるただのモンスター。

千尋*2はなぜ逃げないのか…。

家庭内暴力のニュースがある度に、誰もがそう思う。

だけど、そう簡単に逃げられないのだと思う。

だって毎日そこで生活していて、少しずつ、少しずつ、エスカレートしていく。

だから、ちょっと頑張ろうって頑張っているいるうちに、自身の感覚も、少しずつ麻痺していく。そうして、気付いた時には、もう、逃げるとか判断できないだろうなって。

 

こうしてブログ書きながらふと思い出したことがある。

「人に助けを求めることができる」というのは、一つのスキルらしい。

自分でできることは自分でしましょうと言われて育ったからか、「助けを求めること」→「人の手を煩わせてしまう=悪」という意識が私の中にはある。人に助けを求めることが苦手なタイプだと思う。なんとなく。

でも、一つのスキルとして考えることで、精神的なハードルを飛び越えていきたいなって感じ。いついつまでにこのスキルを身に着けたいという意識は持たないタイプなのだけれども、「人に助けを求める力」だけは、30代のうちにしっかり身に付けたいな。

今後、最も必要なスキルな気がしてきた。だって、この先どんなことが降りかかるかわからないもん。

って話逸れた。めーっちゃ逸れた。

 

でもさ、もちろん「アンダー・ユア・ベッド」という作品自体は、そういう啓蒙的な?テイストの話ではないのだけれども、R18だし、アンダーユアベッドだし(笑)

もしかすると、こうやって、声を出せない人の存在を描きたいという制作陣の意図はあったのかも…とか思ってみたり。

そう考えると、この映画を観て、「人に助けを求めることができるようになろう」という感想が残ったのは、意外と見当違いでもないのかもしれない。

 

その証拠に、一緒に映画を観た友人と、互いにDVが疑われる時は、「ベッドの下にきて」と暗号を送り合う約束をしたし(笑)、相手が気づかない間に、DVが疑われる時は、躊躇せず、声を掛け合おう誓い合った!!

そうなのだ、映画を観てビール片手に語り合ったことは、「DV絶対悪」そして「高良健吾大正義」だったというワケ^^;

 

最後に、DVを受ける千尋を演じた西川可奈子さんとその旦那役の安部賢一さんは大変だったろうなと。演技とわかっていても、うん、どっちも大変で消耗するやつ。特に、西川さんには、あんなに細い身体で…(涙)となりました。

 

 

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*1:「僕たちは希望という名の列車に乗った」もリピートしました。見逃していないけど、また見たい映画だったので^^

*2:「三井君」と名前を呼んだ、三井最愛の女性