旬感ブログ

好きなこと&旬な気持ちをメモ代わりに

さかなのこ

SNSでの評判が良かったので、ふらりと近所の映画館へ。

 

特に子供時代から学生時代までの、ゆるゆるとしたコメディー部分はクスクスクスクスと、かなり笑えたのですが、そういったコメディー的な面白さだけでは片づけられない、実~~~に面白い映画でした。

 

一見すると、好きを伸ばすことは素晴らしいね、凄いね、子供の才能を信じ、それをサポートした家族(主に母親)も偉いね、という話。それがA面だとしたら、その裏側のB面が描かれていたのがとても気に入った。

 

のんさん演じるミー坊(さかなくんがモデルの主人公)は、「魚好き」という、他を圧倒する好きのエネルギーを抱えて生きている。でもそのエネルギーはあまり大きくて。否が応でも周囲の人を巻き込んでいく。その純粋さ、揺るがなさに触れ、友情を育み、誰かの好きをアシストしたり、好影響もたくさんある。

その一方で、好きなもの以外への圧倒的無関心。故に、本人が気にも留めていないところで周囲が困惑したり、悪意なく責任を放棄してしまっていたり、いろいろなことがあったであろうと、容易に想像できる。何かを猛烈に好きでいることは、それ以外を猛烈におざなりにしてしまう。そういった残酷な一面も見せつつ、それでもミー坊のまっすぐすぎるパーソナリティーは魅力的で、関わった人の一部が、「あいつには敵わないな」から、いつしか「あいつの凄さを世界に知ってほしい」に変わる様子は、ややファンタジーであっても、気持ちが良かった。

実際のさかなくんを目の当たりにすると、ファンタジーとも言い切れない、さもありなんという気もするし。という訳で、原作も読んでみたくなり、すぐにポチしました。

 

正直、映画を見た直後の感想は、「好きなものがあるっていいね」というよりは、普通の人が当たり前のようにできる、好きを手放すことができない人は、さぞ大変だろうなということ。それこそ、ミー坊にとってお魚さんは、ほぼ命と同レベルで、失ったら、どうなってしまうのだろう……。母親があそこまで、ミー坊を支え、味方であり続けたのは、もちろん「愛」でもあるけど、「魚がなくなったら、この子は死んでしまう」というもっと切迫した気持ちだったのではないか?! そう思わずいられない。

だって、井川遥さん演じるお母さんはいつもどこか、気が張り詰めていて、少し困ったような姿が印象的だったから。

 

とにかく子役時代がめーーーっちゃかわいいのと、高校時代がかな~~~り面白くて&演者も豪華で^^

主人公のミー坊を演じたのんさんの演技も抜群によく。だれでも楽しめる作品と思う。

とはいえ、人によっては正直映画館で観なくてもいいかな思う作品かもしれない。

ただ個人的には映画館での鑑賞を強くおススメしたい。というのも、小さな小さな小さなカブトガニの卵がたった2個、巨大なスクリーンいっぱいに映ってる、そんなシーンを見ていたら、こんな映像今まで一度も見たことなかったな……。と、なぜだかとてもとても感動してしまって‼

そこに感動したのは、私だけかもしれないけど、斬新なシーンはたくさん見ることができるはず(笑)という訳でやっぱり、映画館で見ることをオススメしたい^^

 

 

 

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