mellow
最近よく作品を見る映画監督、(私的)1位の今泉力也監督作品。
「his」の試写イベントで直接お目にかかり、お話しを聞く機会を得たせいか、なんだか監督の作品に対して、好きな気持ちが増している気がする。
「his」も「mellow」も良かったなぁ。
個人的には、ふらっと観られる「mellow」の方がより好み。
こんなことを書くのは、「mellow」という映画が、“いいなー”“好きだなー“をその対象に伝えることを描いた作品だったから。
「mellow」は1人でふらっと観たのですが、(別に好きな人がいて悶々としていたとかでもないのに)*1鑑賞後、無償に告白したくなった…(笑)
この映画を観ると、恋にもなっていないささやかな“好き”が、そういう“好き”に変化してしまいそうで、おっとっと…。
「好きです」
「ありがとう、でも、ごめんなさい」
この映画の中で何度も登場するシーンだ。
「好きです」の先には、もちろん、「付き合ってください」があるのですが、「付き合ってください」よりも、「好き」と伝えることに重点を置いているというか…。
いかに付き合うかではなく、どんな気持ちを抱えているか。
その思いが誠実だから、相手の前で誠実な自分でいるために、気持ちに嘘をつかないために、告白する。
…そうだよなぁと思った。どの告白も、とても誠実で、だから受け止める方もきちんと向き合える*2。
やっぱり好きな相手に“好き”と伝えないのは誠実ではないな…なんて思ったのです。
とは言え、それを言うのはとても勇気がいる。どうしたって、「付き合ってください」に対する結果が付きまとうから。
でも、本当に伝えたいことは、「付き合ってください」ではなく、「好きです」なんだよな~本来は、なんて。
いい歳した大人になってこんなことを思うのは、なんとも自分の恋愛経験の乏しさを露呈するようで、とてもとても恥ずかしいのですが、この映画を観て、しみじみ感じたこと。
思いを伝えるっていいな~ってなりました。からの、私も伝えたい…みたいな(笑)
「ありがとう、でも、ごめんなさい」の先の世界を、ふわっと温かくみせてくれるから、なんだかとってもポジティプな気持ちになれたのだと思う。
「世の中のほとんどの好きは見えないところにある」
たぶんこれも、事実。
小さな好きの蕾なんて、その気持ちが蕾のうちに蓋をしてしまえば、そこまで。
世の中、好きの蕾を育てるのが上手な人ばかりではないと思う。(私も含めて)
だからこそ
「いつから好きになったのかは、覚えていない。だけども、好きだなと思った瞬間はこれまでたくさんありました。」って私はすごくわかる。
それこそ、恋愛映画のように一緒にいるといつも気になる、好きで溢れるとかはなくても、ふと好きだな~って思うこと、思う人。
だけど、その気持ちを育てないから…、ね。
なんかいろいろ…ぼーっと考えてしまった時点で、この映画、凄いよ。
枯れ果てていた私の心に、“好き”という名のビタミンが染み渡りました。